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取り壊す前のおばばの家。

祖母が96歳で亡くなるまで、一人でのんびりと暮らしていました。

南向きの前庭の小さな畑は、草一本も生えさせない念の入った手入れで、毎年、10種類以上の野菜と四季折々の花を咲かせていました。

家を取り壊す前に、思い出の詰まった家の前で父と母で。

祖母は、女手ひとつの生活費の足しに、家に数人の下宿人を置いていました。

その下宿人の一人が、当時、警察官になりたての若い父。

下宿屋の娘だった母は、当日まだ高校生で、二人の結婚式は、高校の卒業式の翌日だったとか。

 

 

おばばが他界してから1年。

ようやくおばばの生活に足を踏み入れ、整理を開始。

何十年分の埃とともに、几帳面なおばばの生活が垣間見られるさまざまな保管品が山のように出てきました。

 

 

 

 

古い茶箱を始め、昭和初期の遺物がいくつもありました。

近所のNさんのお友達が大勢きて、祖母の持ち物を大切にもっていってくださいました。

中には、古いステンレスの台所シンクや、杉の戸板など、私にとっては不要な廃棄物にしか見えないものまで、大切に解体してもらっていただき感謝です。

 

桐箪笥が6竿。

おばばの着物や帯、タオル、数え切れないほどの、昔から大切にしまってきた布類がきれいにしまわれていました。

 

 

 

 

黒光りした階段は、厚い欅の1枚板で造られていました。

できれば、新しく建てる家のどこかで棚板に使いたいと思ってます。

これを破壊せずに丁寧に解体してくださった解体屋の若い棟梁に感謝です。

 

 

 

 

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